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 ▼農地目次

  1.農地法が変わりました
  2.集落農地利用調整事業企画検討会関係資料

  3.農地の公的管理の出発と歴史

  4.農地利用調整機能を強化するために事例調査結果を踏まえた論点(未定稿) H17

  5.上記資料 H17

 6.ワンポイントスタディ

  7.農地利用調整機能を強化するために事例調査結果を踏まえた論点(未定稿) H16

  8.上記資料 H16

 

平 成 1 6 年  3 月 2 2 日
山  形  県  農  業  会  議

*報告のあった市町村数

 忙しい時期もあり、短期間の調査依頼でもあったことから報告をいただいた市町村数は27にとどまった。しかし、かなり率直な現場の声、提言等がなされており、極力、生の声をそのまま生かす形で整理すべきと考えられる。おりしも新しい基本計画の見直しがすすめられている時期とも重なり、現場からの「担い手・農地制度の改革」とも受けとめられる結果になっている。この結果を踏まえ、新年度以降さらに内容を前進させることが求められている。

 (T) 今年度(平成15年度)、貴委員会で利用調整(基盤強化法による利用権設定に限定)
       
を行って、一番大きく規模拡大した事例について

 今年度大きく規模拡大した事例を三つの視点から分類してみた。(1)取得前5ha程度あるいはそれ以下層で一気に規模拡大している農家(2)経営規模が10ha以上層で追加的規模拡大を行ったとみられる農家(3)法人経営による規模拡大。それぞれの事例については別添資料に見る通りである。(1)が12事例、(2)が7事例、(3)が4事例である。
 (1)で一気に規模拡大した事例としては、寒河江市の事例で、取得前の経営規模が256アール、今年度の拡大面積が511アール、計767アールになっている。次に余目町の事例として、今年度の拡大面積が477アールで、取得後700アールの経営になった事例も目を引く。さらに鶴岡市の事例でも、今年度の拡大面積が470アール、取得後の経営で816アールになっている。すべての経営が認定農業者であり、寒河江市と鶴岡市では経営者自らの積極的な規模拡大意欲が感じられる。なお、寒河江市の事例では、農業委員の地元の積極的な関与、農協と農業委員会の密な連携も伺える。しかも三事例に共通するのは、あっせん事業、農地保有合理事業等の支援施策の積極的な活用である。
 (1)の12事例について、共通的に言えることは、地元における農業委員の活動、さらにそれを支える農業委員会のバックアップがしっかりしているということであろう。
 次に(2)の10ha以上層で追加的に規模拡大を行った7事例について分析してみたい。特に注目されるのは、取得後の経営規模が20haを超えている2事例である。一つは小国町のものであり、今年度734アールを拡大し、取得後の経営規模が24haになっている。もう一つは酒田市の事例で今年度の規模拡大が356アールで取得後21haになったものである。小国町の事例においては町農業委員会の規模拡大に向けての積極的なかかわりが伺える。7事例とも経営者はすべて認定農業者であり、酒田市を除いては、多くが複合経営である。河北町、村山市の事例においては、農業機械リース事業への参加が規模拡大理由にあげられていることも特徴的である。こうした大規模経営の経営の中身についてさらに吟味していくことが今後の課題である。
 次に(3)の法人経営について見ると、尾花沢市の農事組合法人以外は、すべて西置賜の事例となっている。飯豊町の特定農業法人を筆頭に、中山問地域における農地管理、担い手の育成方法の一つとして地元の合意の下、政策的に生みだされたものと理解できる。しかも、3法人とも地域の信頼を得ていることが、規模拡大につながっており、水稲以外にも取り組みながら、法人経営の確立に努力している姿が明らかである。新年度においては、法人等からの政策要求等を聞き出し、支援施策等とうまくリンクしているのかなどをチェックしながら、今後の運営に活かす方策などを追求することも、これからの大切な課題である。

<別紙資料:「今年度、一番大きく規模拡大した事例」>

 (U) 農業委員会で日常行っている土地利用調整(所有権、貸借権、作業受委託)の
       機能をさらに強化するための提案

1.現地の農地流動化の傾向、特徴について

 多くの場合、相対での話し合いが農地流動化の底流になっていることが伺える。同時に担い手個人への集積は限界に近づきつつあり、地域単位で集約する方向を模索している姿も見受けられる結果となっている。また、農地売買のほとんどが負債整理によるものであることも明白である。さらに受け手農家の減少もあり、農地流動化が貸借権や作業受委託に向かっていることも伺える。高齢化が進み、農業後継者が不足しており、後継者も他産業につとめている関係から、農業経営の廃止や、農業者年金の関係で、親子間の使用賃借から、第3者への賃借権の貸し直しに進みつつある実態も浮きぼりになっている。こうしたことを踏まえれば、出し手側の農地流動化の気運はさらに盛り上がる方向にあるものの、地域農業の担い手にうまく集積されるためには、一層の団地化、集約化が課題であり、出し手と受け手の間を適切に調整する機関、組織の存在が不可欠になっていることが理解される。

 

2.利用調整の申し出があった際、事務局として第一番目に留意していること

 各農業委員会において第一番目の留意点は多様である。強いて集約すれば農地の受けての要件に気を配っている市町村が多いことと、地域における集団的な土地利用調整につなげられるかどうかに着目しているケースが多いように見受けられる。さらに地元農業委員の関与、売買価格や小作料、農業者年金とのからみ、生前一括贈与や納税猶予の特例などに留意していることが伺える。

 

3.スムースな利用調整を阻害しているもの

 制度の面では、前の質問、事務局として第一の留意点に重なるものが多い。それ以外としては、土地に対する執着心の強さ、土地所有意識等、農業者の農地に対する考え方が色濃く反映している内容となっている。さらに米価の下落、不況、農地価格の低迷などがあげられている。

 

4.望ましい利用調整にあたっての関係機関の役割、協力

  (1) 市町村行政の役割

 市町村基本構想や経営改善支援センターの中での担い手や農地利用調整の明確な位置づけ、市町村独自の支援施策の 充実などがあげられている。さらに集落営農にもとづく、農業ビジョンの明確化、農業機械や施設整備への財政的支援、農地流動化の支援等があげられている。

  (2) 農業委員会の役割

 まず共通的にあげられているのは、農業委員の地域での各種相談、堀りおこし等、世話役活動の活発化である。各地区での前向きに努力している行動する農業委員の姿が思い描かれている。さらに、こうした活動を裏付けるための資料や情報の提供、認定農業者担い手の把握といったことがあげられている。

  (3) 農協の役割

 農地保有合理化事業等の農地流動化への積極的関与、売れる農産物づくりの確立等営農指導の強化、資金等の相談体制の充実や情報の提供があげられている。

  (4) 土地改良区の役割

 地図情報や土地改良区の持っているデータの共有化、土地利用調整についての関係機関との連携

  (5) その他機関の役割

 農業委員会組織と県農業公社のさらなる連携、ならびに公社事業の一層の拡大、推進を図ること

 

5.農業委員会業務の利用調整活動をさらにグレードアップする方策

 共通してあげられているのは農業委員の意識の改革、やる気の向上、そのための研修の充実ならびにきめ細やかな情報の収集・提供活動である。それとともに重要な論点として強く出されているのが、農業委員会事務局の体制強化策である。
 農業委員会業務はやればやるだけ奥が深く、広範囲な守備体制が必要となり、関係機関とのさらなる連携強化を築く上でも事務局のスタッフの増強が不可欠の課題になっている。それとともに農業委員報酬の見直しや農林課等との役割分担の明確化、地域営農計画や水田農業ビジョンとの一体的推進があげられている。

 

6.利用調整活動の活性化のために、制度上改善すべき点

 まず第1にあげられているのは、農地法3条の受け手要件の緩和である。具体的には下限面積の引き下げ、5反歩 要件の廃止等。さらには、農地法6条の不在地主の撤廃、標準小作制度のあり方の見直し、地元に精通している農業委員協力員の設置、譲渡所得税の特別控除額の引き上げなど提案されている。

 

7.経営視点に立った農地流動化をさらに促進するために経営改善支援センター
  とのかかわり

 現下の農地流動化が量から質へと移行している中で、経営改善支援センターの機能強化が求められている。市町村によっては支援センターの活動そのものが低迷している所もあり、支援センター業務を農家個々のことをよく知っている農業委員会で担うことの方が、むしろふさわしいのではないかという提案もあった。いづれにせよ、農地流動化イコール経営改善支援とストレートに結びつかない場面も多いことから、農委と支援センターの情報の共有化が、これまで以上に必要になっているといえる。

 

8.貴会における水田農業ビジョンの策定についての支援・協力

 多くの市町村では、水田農業ビジョン策定の段階から、農業委員会事務局職員と農業委員等が協議会に加わり、検討している例が多い。さらに水田農業ビジョンの中で担い手育成支援や農地流動化関係では、農林課とのレン系の中で農業委員会がむしろ主体的に情報提供等活動している実態が伺える。

 

 (V) 日常の業務処理の中からの意見等

1.担い手育成支援事業として望まれている施策

 農業機械のリース事業等目に見える支援、助成が共通して強く望まれている。また、担い手の経営安定のための専門家による経営指導の強化、新規就農者への特別な援助、利子補給制度の充実、地域の実状に合わせた取り組みやすい事業の実現等が望まれている。さらに辛口の意見としては、現在の農業に魅力がなければ、どのような支援をしても担い手は育ってこないというものもあった。

 
2.農地法や経営基盤強化法に基づく仕事の中での疑問点や改善すべき点

 まず第1番目には農地法第3条の下限面積について多くの市町村から問題提起がなされている。要は、取得下限面積の50アール要件の緩和、見直しである。さらに農地法第6条の不在地主の考え方が時代に合っていないというものも多い。また末相続農地の取り扱い、転用基準の見直し、新規就農者への対応もあげられている。
 経営基盤強化法に関連しては、集積計画に定める受け手要件、集積計画の同意にからむ民法とのかかわりがあげられた。より本質的な問題としては、農地取得に際しての農業目的と財産目的との区別をどう判断するのかという点があげられている。最近県内では株式会社等の社長個人や、その奥さんとかからの農地取得申請が話題になっており、本会もそうした種類の相談が寄せられるようになっている。まさに農地法3条の根幹が問われかねない事態が起きている。
 この調査結果に基づいて行われた3専門部会合同研修会の中では、農業委員会事務を適切に処理していく上で重要な三つの法律があげられた。その一つは農地法であり、二つ目は経営基盤強化法であり、三つ目は農業委員会法である。この三つを総合的に理解し、実務上で運用できるものとなることが、私たち一人ひとりに要求されている。特に農地法については農地制度の基本を構成するものであり、緩和等を求める声は強いが、その主旨を充分踏まえて慎重に対処していくことが必要である。
 

 

3.農業委員会業務にたずさわっての感想、ならびに現在の仕事を通じて素朴に感じている
  ことなど

 各市町村から今後の農業委員会のあり方、活動にとって非常に重要な指摘がなされている。
 農委組織をあげて、その存在をアピールする意味も含めて、”行動する農業委員(会)”をめざして地域農業再生運動に取り組んでいる。外側からもその活動が見えて、評価される委員会活動に向けてそれぞれ努力しているが、その根本は農業委員の具体的な活動にかかっている。天童市農業委員会から大胆な改革案が提起された。「一部ベテラン議員の活動が見えない。これまで通りの地区の名誉職的位置づけに甘んじている。農業委員の定数を半分くらいにして報酬を倍にするといったことも考えてはどうか。さらに選任委員 の活動がみえず、本当に必要なのかどうか。農業委員(会)のスリム化と誰からも見える活動が農業委員会制度を維持することにつながる。」
 さらに現在の農業委員会活動の中で、大きな課題は、農林課と農業委員会の役割分担である。これに対し村山市では、認定農業者の支援を含め、ソフト活動は農業委員会で執行した方が良いと、現場の視点で主張している。そのための事務局 体制の整備が前提になるが地域農業の代表が農業委員として行政に参画するという現在の制度は、古くて新しい本質的な問題意識を有しており、今日のような建前と実態の乖離が著しく大きい実態に対処するあり方として、大胆に農業委員会制度を前向きに展開させる提言として重い意味を持っているといえよう。
 また、平成16年4月から人口5万人以上の県内5市に対して、農地転用事務の権限が委譲されるが、この適用を13市全体に広げてほしいという提案が尾花沢市からなされている。
 また、南陽市からは、外側から農業委員会業務をながめている限り簡単だろうと考えていたが、実際、農地流動化業務等にたずさわってみると、理屈通りに事がはこばない現実に直面していることが訴えられている。 さらに現在の農業委員会業務が単なる農地法の処理にとどまらず、構造政策全体にかかわるものになっていることが長井市から提起されている。
 また、鶴岡市からは現在の農業委員会のあり様について率直な反省が述べられている。
<1>活動内容が一般市民から理解されていない。<2>閉鎖的な印象がある。<3>農業委員の日常活動が不透明。<4>農家の利益代表といっているが、その実態が農家に伝わってこない。<5>独立の行政委員会ではあるが、活動すべてに財源がともなうことからくる問題が大きい。
 また、農業委員会の仕事を十分こなす上では、広範な法知識が必要であり、業務そのものも農業・農家のために重要な仕事であるが、周囲の理解が今一つであるといった意見が余目町から出されている。さらにこれからの農業委員会活動にとっては、政策 提案力を発揮すべきだという指摘も行われた。
 また、酒田市では、農家の高齢化に伴い、想像以上に農業に対する意欲が低下していることに警鐘をならしている。それを踏まえつつ、農業が産業として自立していくための道筋として、農地が財産ではなくて生産財であることの確認と、農業をやりたい人が自由に農業に 参入できる道をもっと広げることが必要であると提言している。さらに、農地の所有には耕作義務と管理責任がともなうことを明確にして、不耕作地へのペナルティーや没収、転用差額への課税強化を含めて実行することが重要であるとしている。農地を守り、有効利用する最前線の事務局から、こうした厳しい指摘がなされている意味を十分受とめていくことが、現場からの農政改革につながる論点となりうるのではないか。
 また、時代が大きく転換しようという現在、時代に敏感な若者たちが、農業をやりたいという意欲をもって県内の各地域をたずねていることが平田町からの指摘で理解できる。しかも農家の後継者が農業を選択しないで他産業に職を求めている中で、制度的にも大きな変革が求められているのではないかという指摘の持つ意味は重要である。


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  1.農地法が変わりました
  2.集落農地利用調整事業企画検討会関係資料

  3.農地の公的管理の出発と歴史

  4.農地利用調整機能を強化するために事例調査結果を踏まえた論点(未定稿) H17

  5.上記資料 H17

 6.ワンポイントスタディ

  7.農地利用調整機能を強化するために事例調査結果を踏まえた論点(未定稿) H16

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